忘れさられた言葉が
おしゃべりをはじめる海で
魚たちは言葉になって
人のなかへと泳いでくる
おおきな風は
おおきな影を
ただ、夢という魚に変換して
泳いでいる
どこを?
....
きょう僕は
空ろな骨を
たべた
おっけ・ぶーこ
という女の子であったらしいそれは
はじめ
ずいぶん抵抗していたけれど
僕がひとこと
寂しかったんだ、ずっと
そういって涙をながすと ....
それは空
どこまでも伸びていく若葉
あるとき、僕は永遠に出会った。
それは、とてもとても生意気な瞳をしていた。
永遠はあなたには永遠に訪れない
そう断言した永遠の瞳は
残酷という光を帯びていた。
僕の永遠は君なんだ!
....
奇数ばかりを並べる
偶数しか選ばない
そんなふうにおれらは生きてきた
奇数のあなたと
偶数のおれ
ショートカットが好きなんだよ こいつ
なんでおれと一緒になった?
やられた ....
水曜日のネコは
三日の過去と
三日の未来を従えて
アンニュイを転がしながら
モヒートを舐めている
三日の過去が未来となり
三日の未来が過去となることを
モヒートは気まぐれに教えてくれ ....
あの日 あなたは死んだ
あの日 あなたは産まれた
七回忌の集まりには多くの友だちが集まった
七回目の誕生日には多くの希望が集まった
その日 あなたは 厳かに言った
私はもう死んで ....
James Blakeが
海のむこうからとつぜん
ちいさな家のちいさな二階にやってきて
とつぜん、という音を奏でだしたから
多少の大いなる戸惑いをもって俺は
エンゲル係数を詩産してみようか、 ....
光を飲むんだ
光がそう言うから
風は
とまってしまった
光を飲むんです!
断言する光に
風は訊きたかったのだ
きみが君を飲むっていうこと?
光は
そん ....
ことっ
かすかな音が
わたしたちの奥の奥のずっと深いところから
した
ぶくっ
ぶくっ
おずおず
と ....
鳥山が立つとき
海の深層には
おおきな迷いが泳いでいる、と
あの日 あなたは教えてくれた
あなたの育った長崎の海は
いつも
あなたを包み込んで
すべてを許し 微笑んでくれた
そんな ....
きみが ハイハイしていたころ
ぼくは ダイナソーだった
ぼくが 家族を守っていたころ
きみは オーロラだった
人の気配が
なーんにもない ここは
ふたりが 初めて であったところ、 ....
こわれた海のかなたに入学式は立っている。
蝶たちはずいぶん永いあいだ待たされ続け
いっそのこと青虫にもどろうか、と
いまにも
キャベツになりそうに思う。
耐えている桜が//可愛いい
....
ウニが////////ga,///食べたい、っうノ。
あたしは、食べたいんだ
とろトロトロトロトロトロトロトロ、オオトロ、ばーか。
//////
////////////////
/
ん? ....
さみしい、なんていうんじゃないよ
うまれたときから、さみしいんだ
それがきみなんだから
ねぇSORA
きみはうまれたときから
ひとりをたたかってきたよね
それがきみだったよね
き ....
ふかく強く
ひとりの人を愛した
唯一絶対の人と信じて
今日があった
ただ五月雨のように
哀しい瞳をした
少女ではあったけれど・・・
まぁ
さて・・・
ということでしょう
これは
おいらは
さて・・・
ばっかりで
これまでやってきましたけれど
まぁ
さて・・・
ということでしょう
これは
どこ?
....
トンボになって飛んでいた。
桜の木もすっかり葉を落とすころに。
翅は なんにも思考せずに
ただ
トンボのこれからをひたすら羽ばたいていた。
大きな樹の小さな木陰で
すこしばかりの休 ....
森のなかで消えてゆく向日葵のため息が
とてもせつなく感じられるのであれば
きみよ
虹色の風をもういちど友にすることだ
光には影があり影のない光はない、と
たくさんの人が言うけれど
影の ....
炬燵に入って「行く年来る年」を見ていた沢井亜紀は、ふーっ、と大きなため息をついた。親元を離れ、このマンションの十三階で暮らすようになってもう四年になる。去年は、大学一年の時から付き合っていた男と二人で ....
とにかくむふふ・・・なのだ
なにがって
この国の選挙結果に
むふふ・・・なのだ
ほんと
アホ
だね
アホ
に
仕立てられてるね
あれだけ
痛みつけられ
嘘ばっかり
....
トンボになって飛んでいた。
桜の木もすっかり葉を落とすころ。
トンボの翅はなにも思考せずに
ただ
トンボのこれからを ひたすら羽ばたいていた。
大きなビルの大きな木陰で
すこしばかりの ....
白い砂漠に
矢のような日光が降り注ぐとき
摂氏五十度の風に
駱駝が弱音を吐く。
そのころ
私たちの小さな家の二階では
左腕がV字に固まった女が
つば広の白い帽子を右手で押さえ
吹き ....
あたしは
村に住みたかった。
海のにおいのする
ちいさな、ちいさな村に
あなたと ふたりで。
あたしは
あなたとふたりの
空だけが
欲しかった。今も。
ふたりで
いつも
....
勢子めらに責め立てられたる飾り馬地を踏みしだきペガサスとなれ
夕暮れに妻と腕組み出かければ綿あめ食べるとねだるオリオン
流鏑馬の鏑矢うなり時空裂くはるか彼方の青空割るか
まん丸な空の ....
ひまわりと言われたる人白い床横に佇む僕は案山子か
ひとひとり忘れるためのひとり旅銀河鉄道片道切符
あの日から君は己を解き放ちオリオンの空歩む脳髄
あしたには歩けそうだね二人ともフォー ....
「ったく、もう、この子は図体がでかいばかりで、とんと根性ないんだから」
母親からそう言われ続けて育ってきた守田太郎が、何をどう間違ったのか、
ボクシングを始めたのは、大学に入ってからだ。
元来、 ....
ヨシキリザメが泳ぐ
ちいさな町の
ちいさな家の二階に
海はひそんでいる。
右手で白い幅広の帽子をおさえ
車椅子にのったおんなが
吹き荒れる海をみつめて
V字に固まった左腕と
尖った ....
夏休みが、
明日から休むから
よろしくね!
そういい残して風に乗り
青空の彼方へと飛んでいった
よろしくね!
と言われても
わたくし、天道虫としては
なにをどうすればいいのか
そ ....
おれの才能はただひとつ
きみをほんとうに好き、と
死んじまってからでも言えること。
玄関の横の向日葵の鉢植えの横で
腹筋しながら光っているのはホタル。
奴が男でも女でもどうでもいい ....
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