まっ白いシーツが
かぜのように気まぐれに
ふっとためいきをついたとき
けずられたきみの脳は
まわりの景色に色をつける。

くりかえされる
ひかりのみえない毎日を
記憶から消し去り
ど ....
走ってきたんだね
わたしに会いたくて
走ってきたんだね
夕ご飯いっしょに食べようって

あの日のように
ほほえみながら
あなたは
瞳を輝かせて
ぼくのこころに
語りかける

そ ....
いっ
かまえるなよ
てめえら
何が何と言っても
誰がいって言っても
空はいつだって蒼く
女は永遠の海で
おいら達男には
それこそ
だれが何と言おうと
永遠に
謎であるのだからな
その男とは
高校三年の時
はじめて出会った。

自転車に乗り現れた男は
前駕籠から魚を無造作に取り出し
黙って彼女の前に置き
ぎょろりと目玉を
おれの方へ向けると
また自転車に乗って ....
夢が
からからに干涸らびて
アスファルト道路に
張り付いている

やけに元気な
これは
あのころの
あなたの夢

からからと
渇いた音をたてている
あれは
このごろの
おれ ....
かろやかに
自転車を漕いでいた風は
あの日、突然
吹くことを断ち切られ
いまは
病院のベッドで
蛹となって
眠っている


息することさえできなくて
ときおり
顔を歪め、真っ赤 ....
風の精が
ひとり
病院のベッドを
駆け抜けていった

きみは
ぐっすり
眠っている
とおくながれゆく
やすらぎの衣は
たしかに
あの日
おれたちが纏っていた日常

じゃれあいながら
風に泳ぐ魚たちは
たしかに
あの日の
おれたちの心

べた凪の
深い
もっ ....
この種の館には
白い服来た笑顔モドキや
大丈夫ですかあ〜の聴診器や
青筋立てて服従を強いる面背服従やらが
糞と小便の匂いの中に生息している。

その物の怪たちは
なにをどう勘違いしてるん ....
最近
どうも
手が震える

大正十四年が
左手を見ながら
心配している

ので

病院行けば



にこにこ
して帰って来て

よかった
よかった
アル中じゃな ....
きゅうじつに
おもいっきり
あせをながし、
ふたりで
ろてんぶろにはいって、
あおぞらを
ぼんやりながめるのが
ぼくらは
とても
すきだった。

手術の失敗が
ぼくらの
すべ ....
妻の
右前頭葉が
どこかに
遊びに行き
脳幹が
ふて寝し
思いもしなかった
生活を
ぼくらは
送ることになって
毎日、毎日
何かを信じて
何かにすがるように
リハビリを続けて ....
ぱちぱちと
両目ウインク。

一級障害者になる
なんて
予測もつかず。

みち
ただ
生まれたままを
そのまんま
すくすく
生きてきて。

やあ
やあ
思いっきり
拘 ....
きょうお風呂だった?
ううん
だれか見舞いに来たの?
ううん

洗濯ネットに入れられた
バスタオルと着替え

サイドテーブルに置かれた
花束とメッセージ


〜そんな昔のことは ....
ご用納めの日
いつものように
あなたのいる病院に行く。

いつものように
ねじまがったスプーンを
ふたりで使い
あなたの口に
夢を届ける。


あのね
今日、ご用納め
な〜ん ....
ぼくが
ぱちぱちっと
まばたきすると
あなたも
ぱちぱちっと
まばたきをする

きぶんのいいときには
なんかいも
なんかいも
まばたきをする

あなたは
ウインクがにがてで
 ....
晩秋の青空に
黄金色の銀杏が舞う

どこまでも澄みきって
引き込まれそうな深淵

この時期
ぼくらは
いつも
ふたりで
深淵を見つめながら
露天風呂していた

のほほん
の ....
ぼくらは
ゆめをくう

ねじまがった
すぷーんで
すくいながら

ぼくらは
ゆめをくう

ふるえるうでに
ありったけの
ちからをこめて

くるくる
ひとみをだきしめながら ....
きょうの風は
きみの笑顔の
香りがする

きょうの空は
きみの心そのままに
澄んでいる

そして
きょう
きみは
きみの中の
海にかえる
立てないけれど
座れないけど

折れ曲がったままの手だけれど
すり抜ける記憶だけれど

えむは
翼を
手に入れた

深い深い
カーマインの翼を

決して
折れない心を

 ....
目の前に
サムホールの油絵二点
右手が自由に動く時に
君が描いたものだ。

ひとつは
テーブルの上の4本の瓶

もうひとつは
テーブルの上の4個の洋梨

どちらも
ペインテイン ....
秋風に乗って
走れぼくらの自転車よ
きらめく日射しの中を
きみを乗せて走れ

秋風に乗って
走れきみの自転車よ
あの日のように
秋桜の咲き誇る道を

走れ走れ
埃まみれのぼくらの ....
ツクツクボウシが鳴き細り
ぼくらの夏が終わる

夢をいっぱいにはらんだ風が
尖ってゆく

去年のいまごろ
あなたが放してやった
あの魚が
黄金色に輝きながら
ぼくらの明日を
運ん ....
にゅうどうぐもが
もこもこ
もくもく
ぼくらの
ゆめのように
いきおいよく
たちのぼる夏

きみの
だいすきな
甲子園

ふたりで
応援しよう

ふるさとの
しょうねん ....
笑う満月の下で
ぼくらの明日は
三日月のように
尖足している

医者は
なにごとも
なかったかのように
また、今日も
尖った足を
創出する
かちきな

ひとみが

うたうように

ささやくように

いうんだ

<おれもがんばる>

<おれもがんばる>




えむ

ふたりで

がんぱろな

 ....
てをつないで
ふたり
てをつないで

かわべのみちを
あるいているのだ

はしって
はしって
かたでいきして

きらきら
あせが
ひかっているのだ

ごくごく
ごくごく ....
ありがとう
ありがとう
中村先生
ありがとう

ありがとう
ありがとう
一パーセントに
当てていただき
ありがとう

ありがとう
ありがとう
ぼくの妖精を
壊してくれて、
 ....
たとえば
いま、ぼくらがみまわれている不幸とういうものの正体が
医者達のあきらかな過失により生じたと
ぼくらが
つよく
つよく
信じたとしても
それはそれとして
ただ
ただ
にこや ....
雨の降る日は
ゆっくり
うたたねするのが
いいね

そうだね
うたたねだね

あのね

うん・・・?

さっきね
あーちゃんが来たよ

ほう

来たよ
お花持って
 ....
草野大悟(422)
タイトル カテゴリ Point 日付
着色される風景自由詩5*07/8/30 18:06
走ってきたんだね自由詩5*07/8/19 16:16
い〜男に自由詩307/8/5 0:29
その男自由詩3*07/7/21 17:35
干涸らびた夢の季節自由詩2*07/6/16 17:20
それでも風は自由詩10*07/6/2 14:18
風の精自由詩2*07/6/1 22:52
たとえば太陽が自由詩8*07/5/3 17:53
物の怪館自由詩2*07/4/28 18:04
あ、自由詩307/4/6 16:54
赤い夢自由詩6*07/3/4 14:34
頑張れよ自由詩8*07/2/17 16:32
Michi自由詩5*07/2/4 0:28
ING自由詩3*07/1/24 18:09
えらい えらい自由詩9*06/12/29 15:16
まばたき自由詩6*06/12/8 18:42
青空を撃つ自由詩6*06/11/19 17:25
自由詩10*06/11/3 18:26
海に自由詩7*06/10/30 16:07
えむの翼自由詩3*06/10/16 21:55
自由詩406/10/1 0:47
秋風に乗って自由詩606/9/23 16:08
風のゆくえ自由詩5*06/9/16 19:26
応援自由詩1*06/8/14 13:52
尖る足自由詩3*06/8/12 14:12
おれもがんばる自由詩206/8/4 18:00
ゆめ自由詩6*06/8/1 18:23
ありがとう自由詩6*06/7/23 16:20
再生の詩自由詩4*06/7/17 14:01
雨時々十三歳自由詩306/6/23 16:53

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