夕焼けの空を
黄金色の飛行機雲が
針となってのびてゆくその先に
たくさんの人々の虹がたしかに架かって
そのたもとを掘る人もたくさんいるけれど
それはそれでいいけれど

それらの虹を針は突 ....
大粒の涙が
ちんまりと正座して
嗚咽をこらえ
ぽろぽろぽろぽろ
反省している

それを見ていると
ついつい
ついつい
よかよ
もう、よかよ と
ぼろぼろになって
頭をなででしま ....
大潮の日に
満月に向かって
車を走らせ
家路を急いでいると
どこからか
海の匂いがして
どこからか
いるかの笑い声が聞こえ
ぼくはなんだか
きみといるときみたいに
あたたかく
お ....
しかけをはなれて
ゆらゆらと
どこまでゆくのか
おれのウキよ

みなもにうかぶ
あのつきの
ゆらゆらゆれる
ひかりのなかへ

しかけをはなれて
ふわふわと
どこまでゆくのか
 ....
区別されてあれ
紺色の犬よ
十センチ歩幅の
ローカルな犬よ
この職で食うからには
一生、区別されてあれ

扱う品は
人の生命、身体、財産

消えゆくものは
自らの影


区 ....
火の国の水は
枯れ果て、
哀しいほどに
湖底をさらし
汚泥にまみれ。


では
何をしてきたか
言ってみたまえ
無粋の君らよ。

やたら議論を重ね
多くの人の汗を浪費し、
 ....
高層マンションの上に
ぽっかりと浮かぶ
まん丸な赤い月に乗った犬を飼うんだと
三歳の頃そのままに
涙まで流して
だだをこねてみせるから
「あの犬はね、ほんとはね・・・」
と・・・を飲み込 ....
湯気の立つ肉塊を
両手で拾い集めて
ふたりを収納しても
まだ
身元は割れない。

発車を急ぐ特急は
ふたりの命など
雪よりも軽いらしく
せかせかと汽笛を鳴らす。

母と息子を一瞬 ....
煙ばかりを相手に
暮らしてきた人生だったと
したたかに酔ったオヤジが
丸卓袱台のそばで
腕枕しながら
ゆらりゆらり
語っている

現職のころオヤジは
仕事から帰ると真っ先に
風呂場 ....
こがらしがこんなに
びゅうびゅうとふきあれるなかで
つりざおをふるぼくを
わらわないでください

ゆきはふりまたふり
ふりつもり
くもはうずまき
ながれ
びゅうびゅうとながれ
ひっ ....
秋が
ふらりとやってきて
10万円を返しにきた
と言う

後の8万円は
出世払いね
などと
片目をつぶってみせる

秋がまだこの国で
秋という名前もなかったころ
お日様の姿が見 ....
いやあ
あきれはてるほど平和

ほんと
あごがはずれるほど安心

どろどろ
どろどろ
溶けだしている

溶けだしている
この国の幸せ
米国追随

鬼畜米英
とついこの間ま ....
ビールをコップ三分の一くらい飲んで
ほろ酔い加減になったきみが急に
散歩に行く
と宣言し
最近越してきたばかりの
夕暮れの町並みに
とことこ歩き出すから
ボデイガード替わりのおれは
オ ....
かぜをたべて
いきているとりを
たべて

かぜは
なんだか
かなしいきもちになった
くだけちる
さくらのなかを
あるいていたよ
こごえた炎をかかえて いつも

ひらひらと 花びらは 風をまい
狂をひめ ふりつもり
さまようかれの影をそめて

そらをひろげ
へべれけ ....
彼は湖底の岩影で思索する。

湖は、九州がすっぽりはいるくらいの円形
水深500m、水温26度、pH8.0、硬度14
水はあくまで硬く、透明な生態系をなしている。

たしかに、ぎっちりと同 ....
台風が走り去った海をみている

雲間から天使の階段が射している

見つめているあなたの笑顔は

ひまわりの匂いがする
工事差し止めである。
佐賀地裁英断である。

たとえ94パーセントが
完成されているとの報道が
なされてるとはいえ

昭和23年から
営々と続けられてきた
ゼネコン優遇の愚と
アセ ....
逆虹にきらきらとかざはなが舞っている 青空の種を風切り羽根が運んでくる あゝ
見よ
この無惨を

乾ききった子宮を


この国のこころのような
無数のヒビ割れから
びゅうびゅうと吹き出す
夥しい亡骸たちを




陽は香り
空は広がり
あ ....
踏み込んだ厚顔無恥

連鎖はずれの
滅びの土足
いきなりの土足

打ち込まれる
鉄板、鉄板、鉄板、鉄板・・・・

演出されるセレモニー


まるで
スローモーションを見るよう ....
不思議な果実がなっているよ
って
黒い人たちが
ぶら下げられた木を
見て
涙いっぱい
こらえて
Billieは唄ったけれど

ぼくらの仲間も
海苔ひびの竹に
首吊されて

ぼ ....
食うまえに
ちょいと
遊んでやろう


ゆとり
みせて
足で押さえつけた
とたん
ハクセンシオマネキの
大きな右手に挟まれ
苦悶している


不覚!


宇宙のように ....
おとこなのだか
おんななんだか
おんななのだか
おとこなんだか
よくわからない
いまだけど


おおきくなると
ほとんど
おんなに
なってゆくけど


みんなと
いっしょ ....
蒲焼きなんかにされてたまるか!


威嚇のために
鰭をいっぱいに広げて
跳び上がったのがいけなかった


まんまとハリにかかり
ひゅん と
潟スキーの人の手に
おちてしまった
雌は
ものうげにそれを眺め
海のリズムそのままに
雄に近づき

雄は
引きつけられ
口を大きく開けて
雌に
すり寄り

いそいそと
せかせかと

自慢の家まで案内し

 ....
ほうれ

背鰭をいっぱいに広げて
跳び上がる

なにくそ
ほうれ

こちらも
負けじと
跳び上がる

体を丸めて
力をためて
雄は
精一杯の命を競う
ひとつとして
同じ家がない

みな
違った巣穴を
掘っている

どうもやつらは
鋳型暮らしが
嫌いらしい
ころん
ころん
ひっくり返って
泥を背鰭につけている

ころんと返って
ころんと起きる

ころん
ころん

ころん
ころん

あちこちで

こんもり盛り上がった干潟の上 ....
草野大悟(422)
タイトル カテゴリ Point 日付
つむじ風の日自由詩1*04/12/11 22:25
正座する涙に自由詩7*04/12/1 21:31
大潮の日に自由詩2*04/11/29 22:17
しおさい自由詩3*04/11/12 22:45
風追う犬自由詩2*04/11/10 22:01
江津湖に寄せて自由詩2*04/11/6 21:53
赤い月に乗った犬自由詩1*04/11/3 17:34
特急の鼻自由詩4*04/10/15 23:12
丸卓袱台自由詩6*04/10/2 21:43
ふゆのこえ自由詩2*04/9/29 22:41
返済する秋自由詩1*04/9/25 17:22
どろどろ自由詩2*04/9/22 22:09
オロオロなボデイガード自由詩4*04/9/17 0:01
風鳥(ふうちょう)自由詩9*04/9/13 22:17
「声」自由詩3*04/9/4 18:38
「彼」自由詩0*04/9/4 0:08
デジャ・ビュ(既視感)自由詩1*04/8/30 20:47
諫早湾干拓の自由詩2*04/8/27 23:54
風花(かざはな)自由詩004/8/24 21:26
青空の種自由詩2*04/8/23 22:02
干潟の風景〜亡者終章自由詩2*04/8/18 21:04
干潟の風景〜いきなりの土足自由詩3*04/8/16 21:27
干潟の風景〜Billie Holidayなコアジサシ自由詩2*04/8/14 20:56
干潟の風景〜不覚!ハマシギ自由詩2*04/8/13 22:45
干潟の風景〜クロダイものろーぐ自由詩2*04/8/12 21:06
干潟の風景〜ムツゴロウの挑戦自由詩2*04/8/11 8:58
干潟の風景〜ムツゴロウの恋(♀)自由詩2*04/8/10 21:39
干潟の風景〜ムツゴロウの恋(♂)自由詩1*04/8/9 22:21
干潟の風景〜ムツゴロウの主張自由詩2*04/8/8 21:44
干潟の風景〜トビハゼの失敗自由詩3*04/8/7 11:23

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