もう、かれこれ二時間ばかり
ゴカイの長い横っ腹に
食らいついてはいるが
どうしても
飲み込めないでいる

隣の奴は
ゴカイの頭の方に回り込み
うどんでも食うように
つるつると
器用 ....
ひょいひょいひょいひょい
ひょいひょいひょい

ひがないちにちおどってる

ひょいひょいひょいひょい
ひょいひょいひょい

おおきなみぎてでおどってる

自分律をおどってる
おれたちは
おれたちだけで
この海の流れをつくる。
呼吸だけで
すべてのデトライタスを
浄化し
この干潟に
硫化水素はつくらせない。

だれの世話にもならない。
華を咲かせた
スケレトネマが
珪素の骨を
みごとに咲かせた
エアロバクターも
エントロバクターも
黙として
デトライタスを
食っている。

ただ
ひたすらに
原始の記憶
そのままに。
潮がゆっくりみちてくる。

潮がゆっくりひいてゆく。

波の音をのこして干潟がある。
突然
写メールを送りつけてきて
おれの誕生祝いに
夫婦ふたりで
温泉に行くのだという。

ちょっと待てよと
息子としては思う。

おれの祝いなのに
なんで
昭和元年と
大正十四 ....
交差点に立ちながら考えた

なぜ俺はここにいるのだろう
紺色の制服の中のそのまた中は
少しも変わっていないのに

化石となって考えた
風がひゅーひゅーなっていた
女子高生が華やかに通り ....
ぼくは
かみのてをはなれた
ふうせんだ

じゃあくを
いっぱいにはらんだ
ゆめだ

かぜにながされ

くもとたわむれ

あめにうたれ

やがては
はれつする
まなつのき ....
ひからびた夢が
ひんやりと
かもいのあたりで
くびを
つっている


  これは、これで
  けっこういいあじ
  するんだよね


魚たちが
にぎやかに
しゃべりながら
 ....
湖底の朽木となって

魚のはねる音を

聞いていたい
みどりのひかり
のなかを
けむし

もこもこ

あるいてる

みのけが
もこもこ
あるいてる

どこかで
かぜは
おおきな
あくび



めろんぱん

 ....
高慢娘のおまえが

夏の光にパラソルさして

これはまたなんと恥ずかしそうな!

小指の先まで恥ずかしそうな!
卵からかえった雛が
はじめて太陽を見て
母親と思い込むように
おれはあなたを好きになった
風の岬にきてごらん
なにかがきみを待っているから。

風の岬にきてごらん
化石になれない詩が
進化しつづける言霊が
梢のさきで戯れてるから。

風の岬にきてごらん
夢はむ牛 に 泳が ....
こはるびよりのひだまりで
つりをしながらあくびをすると
ぽろっとくびがころげおち
ついでにうでもころげおち
なかよくはりぼてけりながら
うみのうえをかけていった。


いそにのこされた ....
みずいろの
そふぁーのうえに
あなたは
たいじとなって
ねむっている

てれびでは
よいどれてんしが
ちをはいている

そしてぼくは
ねころびながら
とおく
うみのおとを
 ....
あなたの
はじけるわらいごえは
ぼくの ひかりだ

じゅうさんさいで
はじめてあったときからずっと
あなたをまもれる
おとこになろうと

からだをきたえ
あたまをきたえ
こころを ....
アフリカでうまれたはずが
からつけたまま
シベリアにあるき
こおりをわたって
このしまにたどりついた。

にまんねん
おどろくほどみじかいあいだに
このしまのじゅうにんたちは
虚飾を ....
いちにちじゅう
いつもここにたっている
へんなやつがいるんだ。

なにをするでもなく
ただぽつねんと
くうきみたいに。

やつは
あのころの
おれかもしれない
これからの
きみ ....
俺たちは野良犬または雑種である。
小さな権力の中の
二十五万分のいくつかである。

頭の中まで筋肉で
感性のかけらもない
権力の犬である。

この平和ボケしたニッポンのヒトたちの
自 ....
ずっと旅してる

地球が生まれ
銀河系が生まれ
宇宙が生まれた

その瞬間を辿る旅を


言い尽くされた呪文のように
われわれは
どこからきて
どこへ行こうとするのか
などと ....
ごらん

荊の冠をつけて
干潟を歩いてゆくのが
風だ

鋼板の前に
累々と乾涸びているのは
おれたちだ

ほら
海が苦笑している
権力の
縮図
雲のなかで
ねむるように
ちいさな海が死んだ朝
なきがらを
おおきな海に返しに行った。

あなたは
雲の棺をかすみ草でかざり
たいせつに両手にくるんで。

ぼくは
すこしばかり慎 ....
おそらくは
永遠に分からないであろうヒトという類型を
きわめて短いスパンに押し込め
性急に、効率よく
育て上げようとしているものは
何だ。

ひとつひとつの殻の中に
ひとつひとつの無限 ....
空や海の碧に染まず
ただよう白鳥のように
かっこよくもなく
蝶々のように
ダッタン海峡もとべず
かといって
酔いどれ船に乗る勇気もなく
まして
悪魔の風船をとばしたり
大地の商人にな ....
さかさまに立って泳げば
ほら
世の中も見えてくるだろう
金魚よ
大食漢のろくでなしよ
のうのうと管理された水槽でしか
生きる術を知らぬ阿呆よ

ぼろぼろになりながら
風をさがしている
これでも
巡査は、けっこう忙しいのだ。

<私の飼ってる夢が逃げました>
とか
<私の影を落としました>
とか
訳の分からない相談受けたり

<あのカタツムリは汚職をしてます>
と ....
うすももいろに
秋桜はまわり
コスモスが
ひろがる

死が
のみこまれてゆく
海が
ちいさないびきをかきながら
かぜにふかれている


いるかが
とおいきおくを
うたっている


ゆったりと
こすもすがまわり
ぼくらはやがて
かぜになる
草野大悟(422)
タイトル カテゴリ Point 日付
干潟の風景〜トビハゼの生きざま自由詩5*04/8/5 20:41
干潟の風景〜ハクセンシオマネキの不可解自由詩3*04/8/4 21:28
干潟の風景〜アサリ貝の自負自由詩5*04/8/3 23:05
干潟の風景〜泥の華自由詩2*04/8/2 21:53
干潟の風景〜泥中の虫自由詩2*04/8/1 19:05
干潟の風景〜序章自由詩2*04/7/30 23:33
生爪を剥いだ日自由詩9*04/7/29 21:46
立番自由詩7*04/7/26 22:43
CORE自由詩104/7/25 0:41
夏おじさん自由詩4*04/7/22 21:32
夜に自由詩6*04/7/19 10:30
みのけがもこもこ自由詩2*04/7/17 16:42
Photo自由詩6*04/7/14 23:17
刷り込み自由詩4*04/7/14 23:13
風の岬自由詩1*04/7/12 21:32
こはるびよりの自由詩11*04/7/10 22:03
はなびのよる自由詩1*04/7/10 8:23
たからもの自由詩2*04/7/9 22:49
風の魚自由詩4*04/7/8 21:17
海辺の野良犬自由詩6*04/7/7 19:53
小さな権力の中の野良犬または雑種自由詩0*04/7/6 22:34
その解は∞自由詩1*04/7/5 23:44
21世紀の首自由詩2*04/7/4 10:30
さよなら、海自由詩1*04/7/4 0:54
ブロイラーのヒトに〜諫早湾に寄せて自由詩2*04/7/2 7:23
酔鯨自由詩8*04/7/1 21:00
それでも風は・・・自由詩2*04/6/30 23:13
巡査自由詩4*04/6/30 22:39
十三回忌[group]自由詩1*04/6/29 22:10
海物語自由詩9*04/6/29 22:07

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