たとえ明日に
消え去る運命だとしても
水の精たちよ
汀の風を孕んで
たくさんの太陽が
きみたちのひとつひとつに
輝くことを
ぼくは知っている

風よ、雲よ、光よ
水面をわたる
う ....
ひろい
のはらいちめんに
ふりつもった
ゆきが
キラキラキラキラ
すんだ
あかいひかりを
はなちだすと
うまれたばかりの
あのこが
ぽつんと
そこにたっていた
やさしく
すな ....
あなたは
とてもかなしく
笑う。

こすもすの
ひろがりのように
笑う。

いきものの
さがをいとおしむように
笑う。
かすかに
しおのにおいがする

ちりちりと
おもいでが
こげてゆく

ちょうをひきずったなまこが
ぶらっくほーるへとほふくし
いるかが
わらいながら
ただよっている

やがて ....
母さんは何も知らない
母さんは全てを知っている
母さんはガラスの空である
母さんはのたうつ虫である
母さんは輝くひまわりである
母さんは君たちの母である
母さんは何も知らない
母さんは全 ....
二足歩行を続けていると
いいことあるな

今日は
とびっきり かわいい
中学生に会ったし

青空に
薔薇は咲いてるし
ひりひりと
腸をさらし
夢を{ルビ喰=は}む


壊れかかった
メカニズムを
楽しむかのように
数ミリずつの
{ルビ匍匐=ほふく}を続ける


星の声は
聞こえない
せっかく東京に来たのだから
上野駅に行ってみた。
ホームレスの仲間に入れてもらおうと
ダンボール箱を持って。

とにかく東京に来たのだから
山谷に入ってみた。
リュックを担いで、ジョギン ....
いつも
やわらかく
笑っている。

ひとの
わがままを
いっぱい
包み込んで。

ぷろみねんすに
灼かれながら。



泣いていいんだよ。

怒っていいんだ。

蟻 ....
ひかりものに
おおくのさかなが
むれてくる


ひとが
ぞろぞろ
つれてくる


うみが
しずかに
わらっている


なつ
あくびしたり
ほうひしたり


おんなにちょっかいだしたり
とびあがりじさつしたり


すっかりいじけてしまったり
えへんえへんといばってみたり


おれのあくありうむには
 ....
な〜んにも
かざるものをもたずに
うまれたままでわらっている。
眸がわらっている。

ふれれば
こわれそうなひかりが
とことことことこあるいている。
眸があるいている。

ちいさく ....
つくえにすわったら
しんぞうが
いきなり
ばくばく
じこしゅちょうをはじめ

おらあよお
うまれてこのかた
いちどだって
いちびょうだって
やすんだことが
ねえーのによお
ちょ ....
しおが
まあるく
みちてくるのは
ぼくらのからだに
きざまれたひつぜんだ。

しおが
まっくらに
ひいてゆくのは
かぜがおしえる
このほしのぱずるだ。

このほしとつきとのなぞ ....
ずいぶん
ながいときがすぎたが
きょう、やっと
ふたりは
わずか五ミリほどの
ラビリンスを
うんだ。

ちいさな
コンクリートのすいそうで
ちゅうにうきながら
まようことしかしら ....
哀しみが
哀しみの
首を絞めている

絞められた哀しみは
椅子に座ったまま
うなだれ

絞めた哀しみは
ぽっかりあいた空洞を
もてあまし

ただ
じっと
人である哀しみに
 ....
ひとみなひとり

ひとみなひとり

ひとみなひとり

青空にいる
おれは海を釣ろうとする
海からおれを釣ろうとする

あなたは海を産もうとする
ひとの不思議を産もうとする

ぐるり
この星が太陽をひとまわりして
海辺の町に
また
桜が咲いた

 ....

午後
湖まで
二万歩を歩く
ふたりで歩く
途中
息づかいが消え
ふり返ると
青桐の葉を持って
笑っている。


タバコを買いに
五階をくだる
ふたりでくだる
途中
 ....
うすっぺらな
かさぶたを
かさねすぎて
海をわすれた。

くされかけた
霧のなかを
影のない魚たちが
歩んでいった。

矢のように駆ける
雲の彼方に
涙をたたえた
光の鳥を見 ....
ぶつぶつと
涙吹く
蟹たちの
{ルビ現実=うつつ}を食って
それでも
なお
風をみつめている
風が
紺色に
染まるのは
たまらないから
紅色の
ガラス玉を
回し続ける
たとえば
紫陽花のころ
ぼくは
かかえきれない想いを抱いて
佇んでいる

ふりつづく
やさしい雨は
すべての景色を溶かし
なおも
ぼくの扉をたたく


願わくば 雨よ
ウテ ....
ひくひくと
こころがひくついて
うまれて
はじめての
すんじきゅうかを
しゅちょうしたから
おれは
ぴくぴくと
からだを
けいれんさせながら
それにこたえようとしたら
そりゃあな ....
きりとられたひだりうで
をみつけたのは
きんじょのこども
のこりのぶひん
をさがすのは
わたしたち

みぎうでは
くろのびにーる
のなかに
どうたいは
うみに
みぎあし

 ....
シャラシャラと
シャラシャラと
それはおちてゆくのです。

シャラシャラ
シャラシャラ
うす水色に。

うずたかくつまれた
はかばから
それはおちてゆくのです。

それぞれのお ....
解かれた家はあたりの景色を変え
歴史のつむじ風を吹かせる。

ユンボが
さっぱりと暦をかみ砕き
暦はまた小さな風となって
背筋を寒くする。

鳥肌の立った皮膚に
父と母の
祖父と祖 ....
まがっているから
いいよね
きゅうり

でこぼこだから
あじがあるよね
とまと

そばかすだらけの
みかん
すんたらずの
だいこん

みんな
みんな
素敵にいびつ
ずっと
風をさがして
生きてきた

たとえば
こんな
よく晴れた日には
釣り竿を担いで
山に行くのがいい

頂に着くと
{ルビ草原=くさはら}に寝ころんで
釣り糸を垂れるのがい ....
三日月の夜に
ひんやりと矜持を研ぐ奴がいる。

これまでに何十人もの肉を削いできた
彼のただ一つのアイテムは
哀願と絶叫によって切れ味を増し
涙と血によって絶対に近づく。

彼は切り裂 ....
草野大悟(422)
タイトル カテゴリ Point 日付
朝露自由詩1*04/6/28 23:14
ひまわりの生まれたとき自由詩5*04/6/27 22:59
えむ自由詩9*04/6/24 20:44
うみのもの自由詩5*04/6/22 21:59
娘たちに自由詩4*04/6/21 16:42
帰り道自由詩5*04/6/21 15:33
海鼠自由詩3*04/6/20 21:32
風のイルカ自由詩3*04/6/20 10:10
ガラスの太陽自由詩3*04/6/15 21:21
サビキ釣り自由詩4*04/6/12 11:48
あくありうむ自由詩104/6/10 21:58
風の眸自由詩5*04/6/8 22:36
かむばっくのひ自由詩3*04/6/6 21:56
うみのぱずる自由詩7*04/6/4 23:00
ラビリンス自由詩604/6/2 22:56
哀しみ自由詩504/5/30 10:51
ひとり自由詩4*04/5/29 23:22
光の子自由詩7*04/5/29 10:41
風の残り香自由詩604/5/28 20:32
光の鳥自由詩4*04/5/27 22:09
Dream Feeder自由詩304/5/27 21:59
点の風景自由詩304/5/26 9:49
立つ女に自由詩504/5/26 9:42
ひこうはすし自由詩204/5/25 9:58
ころし自由詩2*04/5/22 10:28
風のかけら自由詩2*04/5/21 9:56
解かれた家自由詩304/5/20 14:20
素敵にいびつ自由詩4*04/5/19 9:33
風を釣る自由詩7*04/5/18 9:22
切り裂きジャック自由詩204/5/17 10:07

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