誰も入れない 静寂(しじま)の中に潜む向日葵の丘
帰り道 突然の雨に僕らは泣いている
フロントガラスに打ち付けた王冠(クラウン)が
粉々になって地位も何も無くしたまま
時速100kmの ....
光よ 私を彩って
世界を この手で強く輝かせて
夕闇に紛れ 声を失った
涙を片手に握って 俯き歩きだす
何気ないライトに照らされて 驚く暇もなく立ち止まった
今はただ切なくて
....
あなたを包むこの空気が
ずっときれいであるように
わたしを包むこの空気が
ずっときれいであるように
名もない朝焼けが
空を包んで 夜明け告げたとき
あなたとわたしは離れずに 同 ....
もうめっきり 僕は北風に吹かれるまま
氷は透明で
投げたその眼差しを 雨にして鎖に編む
僕らは繋がれてきっと離れられない
冬の怯えた心に操られ
思い出が 冷たい雪を解かす頃
....
いつの間にか温もりも忘れ
身動きも取れず固まるほかなかった
持て余した自由と
ありふれた制御にとどめられ
腕をなくしたヴィーナスよりも 世界から遠ざかっている
削り取られる前に散 ....
やっちゃいけない 誰かが悲しむから
ちっとも前を向けない時に 導いた手が悪さをする
鋭い音とかそういうものは全然怖くなくて
ただただ今は自分が生きている事が怖い
生きることはつまり ....
今日あの人は携帯電話を忘れていった
帰りは遅いのに どうするつもりかと
伝え忘れた身ながら 少し困って笑っている
あの頃の笑顔に戻れたらなあ
なんて思う事が何度もある
困った瞬間の笑 ....
ずっと思っていた
ひとはいつから大人になるか
靴のサイズが24cmになって
Mサイズの服が着れるようになって
高いところから世界を見た
あの日見つけた蝶の行く先は
どこだったん ....
私の心 守ったならば
あなたのことを 愛せたでしょうか
あなたの心 守ったならば
私のことを愛せたでしょうか
ああ 出来るなら愛をもう一度やり直したい
ああ 出来なくても自由をもう一 ....
巷の秋に目を見開いた空は
もうさよならする太陽が帰って行くことも知らず
振り返った瞬間 涙をこぼす
秋雨よ
わたしを揺らしていて
秋雨よ
倒れ伏すわたしを打ちつけていて
伸び ....
ある静かな夜 かすかな旋律が聞こえてくる
ささやいている美しい音色 何故だか夢を奏でている
いつもいつでも同じメロディ
心に流れるこの歌は どこから聞こえてくるんだろう
誰が奏でている ....
目の前に広がる暗闇の世界 そこにそびえる苦難の山脈
足がすくんで壊れそうになっても 逃げやしないさ
いままでしてきたことが敵わないとしても
この夢は決して尽きることなどないんだ
夜が ....
声が重なる教室の中で
重力に負けたコンパスが 滑って手に刺さる
どうしようもない自分の静けさ
急な空洞を埋めるように 自らが流れてきて
小さなかさぶたを作る
わたしのことはもう見 ....
どこですか どこですか
消えかかった月を星空と探す
どこですか どこですか
消えかかった星空を月と探す
太陽の掲示板を尋ねてみても
僕は知らない と文字だけ貼ってあって
ひらひら宇 ....
誰もいない荒れ野に わたしはひとりぼっち
月の表に立っている 今わたしはひとりぼっち
重力のないところで計られた ひさかたの光
空気も水も 温もりもない わたしがひとりぼっち
辛い ....
鉛筆とノート キーボードとデスクトップ
持ち物が違うとき 気付かずにしているスタイルの変更
斜は斜でそれでいてまっすぐだ
何故にそこが傾いていると責められるのか
錆びついた情熱と壊れか ....
心が行き場をなくしたアリみたい
気持ちは飛び跳ねるノミみたい
言葉は風に翻るチョウみたい
僕の目は降水確率120%の空みたい
失くしたものを水平線まで追いかけて
海の上を走って 空の ....
あの子が止めた時計が 今また動きだしそう
桜の花がほどけたら 僕のカウントダウンが始まる
季節のスイッチを神様が押すと
僕の心は息を吹き返すんだ
凍てついた眠りに落ちていても きっと救 ....
涙をこらえた夜
本当ならあなたの胸に飛び込みたい
暗闇にのみこまれ さっきのメール眺めてる
可愛い子がいたなんて
妬くほどわたしは強くない
一文字が心に鍵をかけていって
弱さが暴れだし ....
海のステンドグラスが
ただ青いまま
砂の仲間と 戯れる
星のソーダやオレンジの太陽を食べて
波に守られおだやかになった
あなたの手が私を守るなら
わたしはもう散らかってしまいた ....
今日の夕方 あなたに 逢いに行くよ
傘をさして 秋雨に肩を貸して
くたびれた花 疲れた川のほとりに
あなたを休ませる 大きな木があるから
愛すること それはとても簡単
難しい ....
夏が その終わりを青空に そっと差し伸べるころ
僕たちの 眺める雲は ずっと 遠くなって いった
あの吹き渡る 風にゆられた 秋を 待つ 君の影
長く長く 土の中には 9月の セミ ....
誰が為に 花は咲く
野の風に 消えゆく涙
こぼれた思いが 君を追って
私の背中を 押した
60cmの足取りは
高さ7cmの靴に変わり
多分 そのうち三点倒立
もうすぐ 木 ....
青空に 一抹の雲が 光断ち わずかな未来を 奪って笑う
流れゆく 心の川を せきとめて 悲しみのダムが 溢れて落ちる
つながって いるとわかって メールして 見えない心と 何を欲すか
夏が白い叫びをあげて走る
雲は低く雨粒はトタンに融ける
小さい足にサンダルを履いて
横顔を向けたままの子どもたち
ある朝の瞬きに
影へと消えた子どもたち
知らぬ間にそれは熱 ....
枕の下から ひらりひらり
貴方の写真がベッドの下へ落ちる
忘れなさい 貴女のため
諦めかけた天使の声がする
あの日 私たちは幼くて愛を知った
今日 私たちはその一文字も描けない
....
ピーマンと ゴーヤとナスを 買ってきて
相互不一致に おかずは迷う
青空に 隠るる命を 我として 離るる夜の 光となりたし
夏至の夜は重く沈んで
雲も宇宙の蒼に融け入る
生ける雲よ
その蒼を映す海は灰色
雨と人と人のわだかまりを蓄え
遠い夜に
雲と雲の笑い声を聞く
....
セーラー服が空色で
芝生を駆ける高校生
片手に本を抱えつつ
どこか尊い受験生
弁当とお茶と制汗剤で
空気の中は粉だらけ
目を開けたまま眠れると
....
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