燃やせ 燃やせ

落ち葉の焚火をどんどん燃やせ


秋の木枯らし 凍えぬように

落ち葉の焚火をどんどん燃やせ


冬の迫った山裾の

赤い褐色 乾いた落ち葉
 ....
 


地獄の門から聞こえて来るよ
地獄の門から聞こえて来るよ

時を喰む音 病魔の寝息

望みを絶たれてなお消えぬ

虚ろな骸を引きずる足音


地獄の門から消えて来るよ
 ....
 

実のない貝殻、海の底

光の網が波に揺られていったりきたり

からめとられるものはなく

魚は魚に挑んで泳ぐ


光る貝殻、これは私の耳

まるい硝子のうすみどり、これ ....
 


鬼の子暗いの恐いから

少しもランタンはなさない

鬼の子暗いの恐いけど

ランタン片手に石を積む


ランタン抱えた鬼の子は

そろりとお堂を一巡り

ランタ ....
 


チルチルハナチルサクラチル

ウイノオクヤマハナミチル

カゼノフイテモハナノチル

テフノトンデモサクラチル

チルチルハナチルサクラチル

イツイツマデモユメノウ ....
 

さらさら白い砂の上

きらきら白い砂の上

さらさら白い砂よりも

よりいっそうなお白く

まばたきもせずうずくまる

がらんどうの骨や骨

空も地平の果てもない
 ....
 


たくさんころがるむくろの上で

かみなり纏った神さまが

されこうべをや手にかがみ

やすでをつかまえ眼窩におとす


きれいなつめの指先で

つまんで百足をポトリ ....
 


からすは東の向こうまで

月のねぐらに帰ります

朝が来るのをそこで待ち

一番鶏に起こされる

あるときからすはうっかりと

月の運行 忘れてて

起きたら西ま ....
 

月のクレータは烏の巣

キラキラいっぱい宝物

小瓶の蓋に割れたコイン

めがねのかけら、金魚の目


月のクレータは烏の巣

キラキラいっぱい宝物

真珠のビーズ ....
 

自らの毒撒きし海入りて悔いよ鳰の浮き巣のぬかづき虫は

 
 


夜来風雨の声がする

木々のざわめき 潮騒か

紺地の夜空に星が棲息

暗灰色の雲の中

大きなくじらが現れて

金に輝く大小の

星をひと飲み たいらげる

 ....
 


トムは人形の右手を作る職人

トムは金曜日の仕事を終えて街を行く

今日はしとしと

薄い幕を垂らすように細かな雨が降る


服を湿(しけ)らせ前髪から雨を滴らせ

 ....
 

早くに生まれたこおろぎは

誰に歌えばいいのだろう

寒く冷たい雨の中

照(て)かる街路に身を寄せて

どこにもいない 誰かのために

薄い羽鐘(はがね)を震わせて
 ....
 

露の世の流れ淀みも知らなくに水面(みなも)に映る鳥の浮き寝や

 
 

キラキラパチパチ

うるさい花火

ガラガラゴロゴロ

観覧車

ぐるぐる回って運命刻む

てっぺん子供

右と左に天使と悪魔

一番下で老人が、重たい鉄骨支えて ....
 

土星と木星

わっかをはずして輪投げのわ

丸い星は太陽の上でジャグリング

とんがりぐつを御者にして

惑星引き連れお手玉しながら

宇宙の楕円をなぞってなぞって

 ....
 

青い空ゆく薄い雲

高い方では風速く

何でもすぐさま過ぎてゆく


青い空ゆく薄い雲

何も描かず消えてった

消えた雲たち どこにもいない


青い空だけ光  ....
 

闇深しカフェの空ほど青はなし 炎の画家は現代(いま)を描くか

この世をば伎楽と見るやさもあらん 誰ぞ誰ぞの好む筋書

ようやくとおのがじしのみ苦慮せずにすむとなりなば殺しあいせる
 ....
 

赤い月の靴音が

真白(ましろ)な闇に反響し

黒ずむ銀の星々が

小さく遠くに穿たれて

まだらな紫色(しいろ)の石の野で

死ぬまであなたはおどりつづける


 ....
 

両腕いっぱいひろげても

とまる小鳥の止まり木で

ひととき休みて また去りて


両腕いっぱいひろげても

この手に何も残らない


太陽の、黄金(こがね)の光 降 ....
 

青くひろがる大空と

遥かに続く砂の海

白と青との境界に

大きな骨が埋もれてる


眼窩のあいた頭蓋骨

牙の並んだ顎の骨

アーチの並んだ肋骨に

涙の流 ....
 

雪の下 紅梅の如 鮮やかな縮まる猫の寒(カン)と鳴く口


今日は和煦 明日も和煦かと思い染め 猫毛のや宿命 冬衣(ふゆごろも)湧く


なでしこの我を呼ばわる若し声 早朝(つと ....
 

フライパン 貝がなければ焦(こ)ぐもせず 沸ける海にてパスタ泳ぎぬ


和せりかな アルデンテなるナポリタン 彩り添うる朱にパセリかな


行くと来と咳止めがたき病み身をや 耐え ....
 
人の世の脆き狂いぞ定律(さだめ)なら風に桜の散るもことわり


さ丹頬う葉こそ楓(もみじ)に栄(さかえ)あり 花はまさしく『慎み』という


緑なす野辺の川岸涼やかに水煌めきて晶(し ....
 

昼 我ら見守りし樹木達

宵 起立して我ぞ我ぞと立ち居並ぶ


昼 穏やかに放ちし心 陽(ひ)の光に交え

宵 彼らの意思となりて確固たらしむ


桜 冠を戴きて朴訥の王 ....
 

白き大地は果てしなく

沈まぬ光の静謐に

いざない いざなう

時をひととき 忘れた光



白き大地の果てしなく

白く冷たい隣人は

等しく全てを覆うだろう ....
 

ここは蓬莱

頭上におちた白磁の林檎

くだけた飛沫は雪の泡


こなごな金剛 ザラメ衣が

銀の枝葉に纏いつく


草笛の遠音 幽か

翡翠の雨の降りたるに
 ....
 


雪降る夜の静寂も

夜降る雪の輝きも

夜空の下の人々は

独り籠って共有してる


望みはないよと言う人の

凍ってしまった星空に

取り残された絶望は

 ....
 

ほむらだまりに蝶が来て

口をのばしてほむら呑む

青く輝く羽色は

ほむら呑むほど ほむらに染まる


ほむらだまりが巻き上げる

風にほむらを羽ばたかせ

蝶は ....
 

ほむら月夜の三日月は

あかく夜空に揺らめいて

うるしのように黒い竜

ほむら月夜の三日月に

巻きつき爪たてかじりつく

揺らめくほむらの端っこを

うるしのよう ....
mortalis(46)
タイトル カテゴリ Point 日付
焚火自由詩111/10/27 16:48
イン ザ ラプソディー rondo scherzo自由詩111/10/27 16:45
温かな海自由詩311/10/27 16:42
ほおずき自由詩211/10/26 4:16
アサユメザクラ自由詩211/10/26 4:16
砂の街自由詩111/10/26 4:13
笑う髑髏の声聞けば自由詩011/10/25 4:10
寝坊烏自由詩111/10/25 4:07
月の烏自由詩111/10/25 4:06
米付きバッタモン短歌111/10/24 4:09
夜の海自由詩311/10/24 4:06
ケールタウンに雨が降る自由詩011/10/24 4:04
こおろぎ自由詩011/10/24 4:04
一休み短歌311/10/23 4:15
memento mori自由詩111/10/23 3:57
サーカス自由詩111/10/23 3:06
自由詩111/10/23 2:41
satura短歌111/10/21 22:25
赤い靴自由詩311/10/21 22:00
聖歌隊席自由詩111/10/21 21:55
おしまいのあと自由詩011/10/21 21:46
短歌111/10/20 22:56
Scherzo短歌011/10/20 22:47
Seasons短歌011/10/20 22:20
朴訥の王自由詩011/10/20 21:13
極寒自由詩211/10/20 19:52
ここは蓬莱自由詩111/10/20 19:13
自由詩211/10/19 4:11
ほむらだまりに蝶が来て自由詩111/10/18 3:57
ほむら月夜の三日月は自由詩111/10/18 1:42

Home 次へ
1 2 
0.15sec.