#1


家の近くにある大きな川に
ぽっかり
空いているダム穴を眺める。
くつしたをおろす、
そっと川のふちに足をひたす。
そうしてからだを横たえると
私はいつのまにか
すっかり
 ....
ヘリオトロープの夢
天使の羽を手折る
みなぞこで沈む
かつてのブルー・ラブ
ポップミュージックとファックした
その次の朝、レコードは灰を被っていた
ので捨てようと思ったが
その前に空腹を満たす必要がある。
白い卵を割って目玉焼きをつくる。
白い薬缶に湯を沸かし、アー ....
唐突な偶然とそれが途切れる奇妙なせつなさに私の神経が致命傷的に反応して
取り返しのつかない程度の絶望を残して去っていく。
類稀なる奇跡を予感して捨てては切って切っては捨てた数々の痛覚を忘れる為に。 ....
おなじ背の高さをした建物が
僕をやさしく愛撫するので
当分この街から出ていくことは
出来ないのだ。
背骨にきしりと
悲しみが
可愛らしい女の顔をした
悲しみが
のしかかる

重みに耐えかねた
か細い背骨は
粉々に砕け散り
鈍い光を放つ
黒いアスファルトの上で
ひらひらと
舞っ ....
あの頃わたしが持っていた
やさしい言葉の群れは
ぜんぶ捨てたよ。
「現代医学的見地に立てば、悟りをひらくというのは、いわゆる統合失調症をはじめとした精神病の状態であると言われております。ですから、僕は、イヤイヤ、この主語はおかしいですね…笑ってしまいますね……、彼は .... わたしの現実が
白いてぶくろをはめた
ほそい指先によって
整えられてゆく
うつくしく
うつくしく
(シンプルに)
うつくしく
整えられてゆく!

今日もまた
こうしている瞬間でさ ....
重力に逆らって
垂れ下がるオレンジの果肉
そのあまさを
おまえは知らない

震える花びらの下で
そっと亡びてゆく虫けらども
そのみにくさを
おまえは知らない
悲しいこと
諦めること
薄っぺらい選択。

大切なもの
核となるもの
を切り取って眺める。


右折すれば変化が待っている。
恐れることはない。
死ねば両手も焼かれるのだから。
 ....
私の内側で眠るもの、を解放してくれる人や理解してくれる人を愛しては不可ない。
陰部、人目に晒されず、暗いところにある、やわらかな部分。
躊躇無くそこに触れてくる生き物を受け入れては不可ない。
無 ....
彼は私の苦しみそのもの
彼に関して用いられる、
言葉
色彩
音律
それらすべてが
彼と
彼の愛のために。

自己表現なんて、無いのです。
世界観なんて、必要ありません。
口ずさま ....
色とりどりの砂嵐
水に潜ったまま
わらう男に脳味噌を掴まれる……。
ジユラルミン・ケエス

中に閉じ込めた
のは
何だつたのでございませう
苦しまずには
生きられぬので
彼を愛さずには
生きられぬのです。
狂つた世の中で
肯定出来ぬ
現実の中で
寒すぎる
冬の中で
呻吟し乍ら
立ち尽くしてゐる
彼の
夜を
そつと ....
ましろい錠剤を口に含み
ほろ苦い赤わゐんで 胃へ突き落す。
その重みではねあがつてくる悲しみが
わたしをどおしようもなく 涙させるのです。



しかし人生はあまりに冗長で
ただ生きているというだけのことすら
難儀に感じられるというのに、
人を愛している余力も余裕も
無い。

それでもなお、
愛せずにおれぬと叫ぶなら ....
行動から
幾つもの衝動が抜け落ちて
恋人にも会えない。
不自然な月の夜、
一体何人が「月が綺麗ですね」という語を発したのだろう。
そしてそのうちの一体何人が
そこにI LOVE YOU.の意味を込めたのだろう。

しめやかに行われた月見の席、
 ....
男どもよ、
おまえたちは、何なのだ。
おまえたちが女の子から
とくべつの親愛の情がこもった微笑みを向けられるのは
男どもよ、
それは、おまえたちが他でも無い
男であるからだ。

男ども ....
信者の行進は俯きがちで
淀んだ空気を見詰めている。
名前を呼ばれ
私は懺悔室へ向かう。
白衣の牧師
錠剤は聖書
神様だけが不在。
青土よし(52)
タイトル カテゴリ Point 日付
三つの小品自由詩112/6/12 3:01
自由詩112/6/12 2:53
有害であるのは自由詩112/6/12 2:52
欲望の実践自由詩212/5/27 21:35
コバルトブルーの門は、ぶよぶよに老いた番犬に守られている。自由詩312/5/13 16:08
背骨自由詩412/3/29 5:00
箱の中の女の額の痣の青短歌612/3/24 3:53
弁解(自殺幇助にかんする覚書)自由詩3*12/3/24 1:54
復讐(自殺幇助にかんする覚書)自由詩1*12/3/24 1:18
まことに信じがたいイメージ自由詩212/3/24 1:10
副作用自由詩512/3/20 21:20
自由詩312/3/20 21:14
擬態する虚無自由詩0+*12/3/14 3:20
本日たいへんお日柄も好く自由詩2*12/3/14 3:08
真空管にて短歌112/3/12 3:07
ゆめ、虚無に来たりて自由詩112/3/12 3:03
真夜中の酩酊自由詩612/3/12 2:57
私の情緒に侵入して欲しい自由詩412/3/12 2:54
永遠的発光を要求する短歌212/3/12 2:41
月蝕自由詩212/3/11 0:26
男どもよ自由詩712/3/11 0:08
宗教自由詩312/3/10 23:51

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