時の{ルビ端尾=はつお}を握り締め

いまだ名もなき{ルビ形=なり}を孕み

音なき音に耳を{ルビ欹=そばだ}て

真空妙有の{ルビ現=うつ}に凪ぐ


深遠に{ルビ籠=こ}む白い背 ....
七つ下がりの風通り

透かし模様の薄絹に

{ルビ囁=つつめ}く日射が

なだらかに滑り・・・・


{ルビ疾=と}うの昔に置いてきぼりの

ブリキの箱で ひしめく玉が

熱 ....
薄ら{ルビ氷=ひ}染める朝影は

思い焦がれた凍て蝶の

きらと溶け合う

玄冥の{ルビ吐息=いき}―――


砂絵のように脆い心で

{ルビ消=け}残る跡を 思い{ルビ染=し} ....
{ルビ畦=あぜ}に腰掛け{ルビ見和=みな}ぎし先の

{ルビ揺振=ゆたぶ}る木立は

神のやすんば 


紅い雀が{ルビ舞風=まいかぜ}の中

命の際まで飛び翔ける


漏れる ....
赤いおととが ひらひらと

右に左に身をくねり

赤いおべべは誰のため

水に弾けて凛と舞う


するりと冷たい{ルビ玻璃=はり}のなか

くるりと廻って裏返し

{ルビ ....
{ルビ朝凍=あさじみ}の

利休鼠に

朱を刷いて

きと{ルビ誘=おび}かるる

垣の山茶花



暗香に

袂を引かれ

仰ぎ見つ

名残の雪に

 ....
菜の花畑で見る夢の

差しくる日影も目映くて

菜の花畑で見る夢の

{ルビ解=は}つる思い出 風を追う


青陽の影

かげろうの刻

薫り合う間に

{ルビ翔鳥=か ....
朱雀(37)
タイトル カテゴリ Point 日付
鈴慕自由詩3*07/2/15 20:33
晩景自由詩4*07/2/13 22:20
侘歌自由詩3*07/2/12 1:15
風輪際自由詩3*07/2/10 11:07
金魚鉢自由詩3*07/2/9 23:14
浅春短歌5*07/2/8 23:25
春色夢譚[group]自由詩11*07/2/7 15:07

Home 戻る 最新へ
1 2 
0.13sec.