私たちの星についての知識はすべて間違っていた、と
ようやく人びとは悟った
ほんとうの、私の不思議
ひかりの造花とは、いったい何なのか?
夜明けの湖のように
ゆっくりと色を変えまた ....
__は
地球より大きなものをさがして
空を向く
口をすこしあいて
鳥がきこえる
いつか
たくさんのトマトを植えてくれ
前世まで忘れてしまうほどの
いい匂い
そうしたら、金星の ....
赤
紫
金
白
風にふかれて俺は
君のたいせつなかなしみを踏みつぶす
雨がふる
虹が崩壊する
目をあける
目をとじる
心をこめて俺を愛する
それが君の答え
子を産み ....
天を咲いてる わたし見る限りの空
類まれなる人類、月から帰る
抵抗忘れ、ここは真っ白い桜さくら
爽快はあるときの君春の空
いのちわたしはいまそれを知るこども
....
父は絵本で、母は旅人だった。
ダンジョンを地下へ地下へと解き進み
衰弱しきって手に入れたのは
たったそれだけの事実だった。
うつくしい物語を記録する誠実な本
わたしは文字を指で読んだ ....
木の葉降る楽しい声は秋の空
カレー派の彼は枯れ葉に別れ華麗
図書館でさわやかな日に生理学
野良猫に辛子つけ麺不道徳
枯れ葉かさねて渡されキレ芸のみ
友 ....
海面をうらがえして歩いてる
裸足で踏む空
ひとつだけえらべばいい
そう思う
目がとけていく
涙が雲へおちていく
光とともに生きている
知っていたらもっと違ったのに
なあ ....
月光透す蝶のステンドグラス
夜の粒子は星明かりに熟する
生家に邂逅し得ぬ四十色の石
街上一日についての数式
どこか素敵な場所へ赤いスイートピー
親虎の ....
発音法は本で学んだ
息をはくとき、のどをふるわせ
音をつくる
これがなかなか難しい
僕の場合、17日間つづいた夜のおわりに
はじめて成功した
口とのどをひらいて アー
口をすぼめ ....
ゴジラかよ今後はご飯が放射能
映画みたいといって浴びる放射能
放射能ガンで死んじゃう放射能
原発は嫌いだけど電気は好き
テレビと電気に飼われ泣いたりしてる
....
かつて
わたしたちの知るところではなかった雪を
当たり前にながめるわたしの感受性のなさ
たった二十年前、人は雪に触れることを許された
その五年後に、地上に最初の街ができ
更に五年 ....
仕事が長びいて、いつもより幾本か遅れたバスで帰った。停留所に降り立ち、息をつく。
星の綺麗な夜だった。
家までは、徒歩で小一時間かかる。歯が抜けそうに田舎なのだ。歩きながら、見上げた樹々の狭 ....
「星を売っておるのです」
私の訝しむのを見てとって、男は微笑み、付け加えた。
「簡易プラネタリウムを運んでおるのですよ。あちこちの小学校や講堂なんかを回って、組み立てて、簡単な解説をする ....
いくつもの世紀をこえて
多くの人の手を渡った
奇跡の瞳を手に入れた
汚れたわたしの瞳の上に
震える手で押しこむ
わたしたちはよわくて
かんたんに壊れてしまう
だから、かなしいもの ....
やわらかい足音と聴く春の海
春の海ねことバンビの二重奏
波間から星は見えるかアカヒトデ
アカヒトデ浜で乾いて仰ぐ星
解答が分からず描いたスナフキン
ス ....
鉄塔に、カラスが幾羽か停まっていた。カラスは青く、空を背景にして透明のようで、目を離すと見失ってしまいそうだった。
私は、はたと、何かを思い出さなければ、という気持ちになって、
「青いカラ ....
暑い夜、居酒屋で
僕たちに起こった出来事を話す
そうだ僕たちは
つねに正しくはなかった
明日からも
会おうと思えば会えるけど
もう、少しずつ離れてゆく
そんなのは、はじめから分か ....
誰もが朝を愛する 何もかもすてて
かなしくて雲がふき飛ぶ 冬でよかった
記憶に執着しない空が飛んでく
重いスーツケース二年が膨らむ
落ち込む私を笑え私馬鹿阿呆
....
僕は白く色のついた風の中に立っていた
見渡すかぎり真っ白で
春のように温かだった
風に背をむける
その行きつく先をながめながら
とてもかなしかった
なぜかなしいんだろう
と、考えてもわか ....
とり置きの雲をてきとうにちぎって
空のすき間を埋める
余白が大きすぎて
途中からは小さくちぎってまんべんなく並べることにした
魚骨みたいになった
そんなことばかりだった
雨あがりの雲は ....
それを越えると
かえって落ち着いた
もうさむくない
暗闇と静寂は愛しかったのだ
怖かったのではなく
泳げそうだ
ひとつふたつ
小さな光があらわれて
きえた
....
意味不明のフイルム
かびた古い封筒の束
変なカギ
本棚の奥のぬいぐるみ
こわれたハンガー
などなどなど
コンビニで買ってきたごみ袋をびしびしひっぱり出しながら
どんどんすてる僕
ある日 ....
夢のようだった
銀河鉄道の夜でよんだ
真っ白な{ルビ鷺=さぎ}の菓子を
わたしは大地に植えていた
ずい分長い間そうしていたのだった
一羽でも多くと
せっせ、せっせ、尊くひかる白い足を埋 ....
わたしたちは
違うところへゆく
わたしのゆきたかったところでも
あなたのゆきたかったところでもなく
わたしの胸に
あなたの涙があつい
あれが朝ひだったらよかったろうか
しかし夕ひ ....
博士の怪物が折り重なって手を伸ばし、四色の月を求める。
質屋で心を取り出す。意外な美しさに大金を払い買い戻す。
海が凍結し、私たちは海の彼方へ向かった。足だけが冷えた。
....
ゆるされうる、をひとつゆるす
遠くをみる、が指の間をすぎてゆく
僕が歩くから
はだかの木々がしなる
遠く灯る過去のように
最短が散ってはゆくけど
前を向いて
さわやかにいきたいん ....
砂浜に薔薇をさして朝を待ってる鳥一羽分空があいてる
星よ私は君であったのに光が欲しいと夜にないてる
朝焼けが落ちていた拾うと歌だった捨てると{ルビ朱鷺=とき}色の貝だった
....
もし生まれかわるなら
くじらになりたい
ひとり(いっとう)、暖かい海へゆき
深く深くもぐる
青と碧にひかる海の中なら
きっといつまでも泳げる
空にはかなしみがないという
けどそれ ....
何も掴めなかったそこにあった物語
甘えに甘え餃子三昧の日々
人形と書籍に埋もれ月光浴
奇数好きの猫など信じられるか
鐘の音に最後といえば最後のダッシュ
....
言い出しかけてる僕らはずっと光のような錠剤
たたずんで立ち止まってただ休んで
向こう岸駆けてるちいさな曇りのような困惑
あくびして背伸びして放りだして
すぐにそうやって今日もなんだかあ ....
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