コンタクトがかわいて
何度もまばたきする冬
きみの歩いてるところが
いちばん好きなのだ
ひとを好きになるって
誰かの強烈な信者に
なるっていうこと
ふいに抱きしめられた
湿った ....
ずん、と重くて
食べづらくて
あーもうめんどくさい
でもでっかくて
うんとあまくて
食べ終わるころには
しあわせ
やさしくてみんなあんまり買わんからラッキーストライクが好きという
口の中隅から隅まで知ってるよ だけどよく読む作家は知らない
情けない姿どれだけ見せたってすましていてよ僕の前では
....
じゃがいもときゅうりとにんじん ばあちゃんの「ポテトサララ」をゆっくり食べる
火星から来たのねきっと 突然に怒る男をぼーっと見てる
ドキドキと汗で疲れて起きた昼 破れんばかりの夢を ....
まだやわらかに
すこし濡れた髪のうねりも
正確に笑えない口元も
プレミアムカルピスも
だいじにしてね
あなたをかたちづくるもの
やすらかさと
いっぱいの情熱でもって
あなたがすきだ ....
たとえばあなたの
ことばひとつひとつが
あたしの細胞の
いちいちに染み込んで
思想からからだまで
みるみる変えていくことや
うまれて初めて
悲しみからでない溜息を
つくりだして ....
生きてるあいだ
出来るだけわらって
思って 泣いて 知りたい
あとどれくらい?
どれくらい?
飛行機雲にぶらさがって
世界を全部見下ろしたら
じぶんの知らない ....
あたしはちっとも
いい女じゃない
見返りをきたいしている?
今どっちの立場が有利か
かんがえている?
ばかみたい
そんなのは
全部はだかんぼうで
愛し合うために
ひつよう?
....
フワフワと寝息をたてる5時間目 首もすわっていない高3
文化祭のゆらめく熱気に泣きそうだ グリーン・デイに流されている
八月の涼しき図書館にて友のくれたるシュシュの複雑な柄
....
すきとか愛してるとか
言わなくてもいいよ
ちゅうすればわかるよ
とても直接的に
きもちを表す手段
じぶんの入口をおしえあう
聖なる自己紹介
ひとりじゃできない
みんなでもで ....
あしたから受話器に拘束はされない 7時半から8時半まで
夕暮れに犬と歩いている我のマリリン・モンロー笑うTシャツ
ごめんねと言われたあの日の靴箱の前でふつうにバイバイと言う
....
空と海がキスしてる
水平線が
もどかしいんでしょ
雲が
おそろしい白さで
襲い掛かろうとしてきて
波が
はげしく追いかけ合って
ざぶん ざぶん
あたしはたちすくむ
あた ....
あなたのひざっこぞうの
上でおどりたい
あなたのジャージの
がざがざにもぐりこみたい
わらってるなら
あたしをたべてよ
その歯のひとつひとつの
感触を覚えとこう
手をつ ....
簡単なことしかいえないよ
だっていちばん
簡単な気持ちだから
もう言葉
えらばなくても いいよ
あたしを傷つける
言葉なんてない
他のひとにはしないこと
あたしにはしていいよ
....
「信号まで送るよ」君が言ってから 赤はふたりの色となりけり
青を待つ吾もまた人に待たれ居り 三千キロの横断歩道
「それじゃあ」がいちばん恐い帰り道 留まる信号 3度目の赤
ふせた長い睫毛が
まっすぐにこっちを向いて
貫かれるんじゃないかと
どきどきした
ばかみたいだけど
向き合ってね
一定の距離を
大切にしていると
もうこんなに
こんなにせつない
....
例えば犬や猫みたいに
せめて小さい頃の姿が
あいくるしいものだったら
愛することを知れたのに
愛されることを知れたのに
子供のころから
ずうっと考えていたこと
あたし本当は
毒なん ....
窓がくもっているから
遠くの光のつぶつぶが
それぞれじわりとにじんで
ああ急がないと
星がぜえんぶ夜に
溶けてしまうと思った
そうしたら
いよいよほんとうに
わたしひとりきりの ....
ヘッドフォンのCharaに支配をされながらメールの返信待っている夜
「帰る時また声かけて」それだけで嬉しくなれる だから18
居眠りの授業で魔法の指がふとやわらかく突く吾のほっぺた ....
おかあさん どこがはじめでおわりなの 海辺で坊主は体育座り
ちっぽけな寄り目のわたしビー玉の中では常に真ん中に居る
校庭の松の浮かれた電飾を蹴っ飛ばしたい高3の冬
前を行 ....
しめつける
しめつける
ああ
なにがやさしさで
なにに堪えられなく
なってるの
憎む おもいやる
痛いよ もう
ああ
涙がどくどく
出てきた
ぼこぼこした
つぎはぎのコンクリートの歩道で
まっ ....
夜の高速バスで
あなたが会いにきて
水族館の帰りに
夢みたいなきすをした
世界でいちばん好きな
世界でいちばんの人に
世界でいちばん想われてる
涙がでるようなことだよ
あた ....
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