中秋や林檎齧る音響きをり みどり児と会話してゐる猫がゐるくだらないこと話すんぢやない 生温かき血潮のごとく溢れ出る妻の暴言猫に食はせろ 水溜まりへ金魚放つ誘惑に負けさうになる三十五の夏 みしりみしり音たてながら青杏 木洩れ日の花溶かすかな桜桃忌 熱帯夜理科室の闇吸い込まれ          


マネキンと踊りたくなる熱帯夜         


熱帯夜マネキンどもが夢の跡          


夏蝶や県境越えて亡命す   ....
月翳り重力に負けた僕たちは打ちひしがれて芝生を毟る 凄まじき癖毛の男現れてともに海へと繰り出さうと云ふ 凄まじき腋臭の臭ひに猫が逃げ妻にも逃げられ青葉買ふなり あんぱんの黒色革命に怯える夏


子午線で縄跳びをしている少女たち


電磁波を避けつつ齧るラムネ菓子
淋しくて名も知らぬ草生やしてみる


残り湯に藪蚊が浮かんでいる


いろんな果実がなる庭だ


階段で猫がとおせんぼしている


乾からびた刺身が跳ねる海は何処だ
鉄塔が背伸びして笑っている


猫がみんなおりてきた


似たような家が並んでいる子どもの笑い声


時間通りに来ない電車を待っている蝶々


生ぬるい電車の中で夢を見た

 ....
切り花の向日葵は哀しい花盗人め


嗄れ声の学生群れる駅に燕啼く


金魚放つ用水路の臭い夏赫い眩暈


果樹園を抜けると犬が待っている


蜂の巣に水鉄砲放つ幼女かな

 ....
夏が好き呟くあなただって八月生まれやもん


乾からびた紫陽花を愛でる老いた妻


街路樹の年輪数える昨日の児


差出人不明の葉書が届く夏
泥団子差し出す少女明日は夏至です 癖毛が僕に似たのか初夏の風 猫の眼は素直である
安ウィスキーをかっくらってばかりいる僕の眼とは
対照的だ

猫好きのひとに問いたい
きみらは嫁よりも猫をとるよな
少なくともこの一瞬
人生という長いスパンではなく
 ....
こんなに悲しいのに
誰もぼくのこと理解していない
少年は海を前に呟いた
猫は鳴き声をあげた
少年には賛同していると理解したが
そうじゃなかった

猫は雌猫のところへ駆けて行き
じゃれあ ....
ねこのここねこはねこのこねこで
ねんねこねんねこころころころ

このこはほんとうにねるのがすきで
ねるこでねことはむかしのひとは
うまいこというな 
とおもったひるでした
おまえが悪いおまえが悪いと
道往く人になじられる
いったい何が悪いのかと
自問自答してみるが
思い当たるふしがまるで無い
道往く人に何が悪いのかと問うてみても
全く聞いてもらえない
逆上 ....
実はわたくし新婚ホヤホヤなのだけれど
最近なんだか新鮮味が無くなってきてしまい
家庭内不和とまではいかないのだけれども
家庭内で自分の居場所が無くなりつつあると感じているので
これじゃあいかん ....
せっかくT-岡田が八回表に2ランホームラン打って追いついたのに
その裏長野にソロホームラン打たれて勝ち越され
亀井にまでホームラン打たれてしまっては文字通りトドメをさされてしまったことになり
さ ....
詩心はいつもこっそり現われては
ぼくをこづく
虫捕り網でぼくは何度も捕まえようとするが
するりとかわされてばかりいるので
ぼくはいつもうまい詩が書けないんだよ
うちの飼い猫の名前は
あんず(♀ 11歳)
ししゃも(♀ 推定9歳)
豆乃助(♂ 11ヶ月)

みんな食べ物に関係しているので
今度産まれてくる赤ちゃんの名前も
食べ物の名前にしてみよう ....
うちで飼っているヤマトヌマエビが脱皮した
と嬉しそうに妻が脱け殻を箸につまんで見せてくる
食卓に置いとくから見てね
暫く飯喰いながら脱け殻を見るようになり
ヤマトヌマエビの脱け殻に慣れてきた頃 ....
女子の装いが夏仕様になったので
街中も通勤車両もなんだか華やいだ気になります

実はぼく爆弾魔なのです
鞄の中には手造りの爆弾が入っているのです
この浮ついた空気を爆破するのです
テロリス ....
そっと
電車の窓ガラスに
耳を押し付けてみる

風景が消えていく時間が聴こえる
勇敢な三匹のメダカたちは
果敢に現実という奴と相撲をとったが
全然良いところ無く
次々未来へ投げ飛ばされた
世をはかなんで白昼堂々と身投げした
愛しのヤマトヌマエビを弔う詩を書こうとしたが
焼き海苔買ってきてと妻からお使いを命じられて
ちょっとの間留守にしたら
ヤマトヌマエビの死体は片付けられていて ....
冬野 凪(80)
タイトル カテゴリ Point 日付
9月12日夜俳句011/9/13 10:00
仲間はずれ短歌1*11/8/29 23:00
猫も食わん短歌011/8/29 22:46
金魚放つ短歌011/8/29 22:43
青杏俳句1*11/8/27 23:05
桜桃忌俳句011/8/27 23:04
夏全開俳句1*11/8/27 22:54
重力短歌011/8/27 22:36
癖毛の男短歌011/8/27 22:32
腋臭短歌011/8/27 22:18
黒色革命俳句2*11/6/17 18:45
エデンの園俳句011/6/16 23:43
「花をもっていかないでください」俳句011/6/16 19:13
金魚を放つ俳句011/6/14 6:30
夏の記憶俳句0*11/6/13 13:22
無題俳句0*11/6/13 6:21
俳句0*11/6/12 21:16
猫に捧げる詩自由詩310/6/23 20:18
猫と少年自由詩310/6/16 9:33
ねこのここねこ自由詩110/6/11 12:36
おまえが悪い自由詩410/5/27 18:51
たまには妻にプレゼントを自由詩010/5/26 23:41
5月24日読売ジャイアンツvsオリックス・バファローズ交流戦 ...自由詩1*10/5/25 12:07
いたずらもの自由詩1*10/5/24 12:19
赤ちゃんの名前募集自由詩3+*10/5/23 0:46
脱け殻と食欲自由詩2+*10/5/22 22:22
ぼくの好きなもの自由詩1*10/5/21 23:44
西武池袋線の消滅自由詩0*10/5/20 21:43
朝三匹のメダカの死体を発見して自由詩1*10/5/19 20:30
あるヤマトヌマエビの死自由詩2*10/5/18 21:50

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 
0.35sec.